やったあ~皮をむかない給食センター現る!その2

前回の続きです。 「皮にはお野菜さんが自分を守るためのバリアーの力があるんだよ」 「それを、お野菜さんありがとうって思って食べたら、今度は君たちを守る栄養になるんだよ。」

全国の保育園幼稚園に広がる、生ごみリサイクル菌ちゃん野菜作りの現場では、先生たちがそうやって教えてくれています。

実は生長点という、野菜のもう一つすごい場所の小話があるのですが、それはまたいつか報告します。

この写真は、食生活改善推進員さんたちが、イベントの時に、ゴボウの皮なしと皮付きスープを、参加者に試食させているところです。 皆さん、味の違いにびっくりされるので、そこで自信を持って説明します。 「皮には自分を守るために大切な栄養をいっぱい集めているんです。だから皮が入っていると味も風味も良くなるんですよ!!」

最近、皮付きとわざわざ書いたゴボウのきんぴらが売っていました。 大勢の市民の行動が、あなたの小さな声が、少しづつ社会を変えていきます。

 

ここで、皮に栄養が詰まっているデータをいくつか上げておきます。

最近は、皮付きのフライドポテト増えてきましたね。

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ本題です。 1年前、大阪の豊中市で、走井給食センターの所長、技術部長、栄養士がそろって、私の話を聞いてくれました。 この人たちみんな、与えられた立場と環境の中で、子どもたちのために何か出来ることがないか、必死に模索しておられる、暖かい心の方々でした。

講演終了後すぐに3人は集まって話し合い、行動に移していったんです!

 

13000人の子どもの食事を供給する西日本最大の給食センターです。 とにかく安全第一。 そして昼食時間までに必ず全学校に届けること。 さらに食べ残しがちょっとでも多いと膨大な生ごみになりますから毎日飽きない美味しい給食でないといけません。 それだけでも精一杯なのに・・

でも熱い心の栄養士たちは、子どもたちの健康を願って動いたのです!!

まずは、現在なぜ皮をむかないといけないのかを調べました。 理由は菌の問題でした。 それならということで、 皮をむかない大根と、皮をむいた大根で、同じ調理をして生菌数検査したところ、まったく問題なしでした。

 

つい先日、有志の仲間とこの走井給食センターの視察に行きました。

ごく一部の汚い部分は取り除いて、大根の皮をむかない調理を始めてすでに1年が経過。今では、きれいなニンジンも皮をむかずに調理していました。

皮を良く洗わないといけないので、第1工程は戦争状態になるそうですが、その後の工程が楽になって良かったそうです。

 

ダシも、コスト的には高くなりましたがミネラルを幅広く高濃度で含む「煮干し」を導入していました。 ただ、残念なことに、だしをとったあとの煮干しは取り除いていたのです!(堆肥センターへ回していました) 理由は残食が増えてしまうからです。 13000人に、煮干しの出し殻の良さを伝えることは不可能なので、しかたがなかったようです。

そこで、とりあえず、ダシガラは捨ててもいいから、よりコストの安い大型のいわし煮干しを粉末にしたもので、ダシをとるように提案しました。 その方が、汁に溶出するミネラル量が格段に高くなること。 また、それでもダシガラのほうにまだミネラルがたくさん残ってしまうが、汁に溶けたミネラルは体内での吸収率がとても高く、量的に少ないのにはっきりと効果が表れる事例があることを説明しました。

その提案を聞いた栄養士は、 「その方法なら、粉が給食に残らないから、うちでも出来る!」 と言って、すぐにでも準備にかかると言われたのです。 (すぐに様々な準備に動いて、実際に煮干し粉末が使われ始めるのは4月からになるそうです) その行動力に、視察したみんな感動し、なんだか心がむずむずしました。

 

皮を使うことで確実に栄養価が上がり、白血球が増加することもわかっていますが、 経験的には、煮干し粉末を使うかどうかの方が、心や体の健康に目立った違いが出やすいです。 それくらい、現代の人たちはミネラル欠乏状態なんだとおもいます(新型栄養失調症)

だから、煮干し粉末導入は、13000人の子どもたちの健康状態(例えば体温、病欠日数や心の安定など)にはっきりと効果が出てくるはずです。 本当に楽しみになってきました。

 

楽しみついでに、視察参加者から、白米を使っていることにも、質問がありました。 これについては昨年、分づき米が使えないか画策したそうですが、無理だったそうで、でも、 「もう一度うまい方法がないか動いてみる」と心から返答してくれました。

 

エコクッキングの講習でも、皮の大切さを伝えていました。

 

最後は、昔懐かし学校給食の時間です。 視察者みんな児童の気分になって、手分けして準備し、 「いただきま~す」

左上の酢の物の大根が、小さくてわかりにくかったけど皮付きでした。

 

 

ただ、市民からの反応が少なく、自分たちの取り組みがひとり相撲のような気がするときもあるそうです。

 

そこで皆様にお願いです。 この給食センターでは、見学を歓迎しています。 下記に電話かメールして申込用紙をもらって下さい。

2週間以上前に申込。 8人以上で受付可。 30人以下なら一人245円で給食も申し込めます。 どうぞ、仲間を募ってどしどし申し込んで下さい。 そして、皮ごと調理していることを聞いて下さい。 煮干し粉末や分づき米の状況を聞いて下さい。 豊中市在住の友達がいたらぜひ見学にお誘い下さい。

この夏、煮干し粉末とともに空心菜も使い始めたら、ますます病欠日数に違いが出るはずですから、その違いを調べられたらいいなあ・・

豊中市立走井学校給食センター 豊中市走井3丁目27-1 06-6152-9501 FAX06-6152-9504 kyokyushoku@city.toyonaka.osaka.jp

 

 

熱いハートを持つ、栄養士の先生がたです。

 

下の写真は一緒に視察に来られた、香川県内の県議、市議、町議さんです。 香川から率先して広がって欲しいです。 右端の人は、優秀なので若いのにもうセンター長です。 大切な変革は、とても慎重になりながらもしっかり行動させる素晴らしい上司でした。