西日本新聞28話 草を入れると草が変わる
なんというパラドックス!
農業の最大の敵、雑草こそが、
農産物を滋養豊かで美味しくしてくれる土を作ってくれていたとは!
雑草を取るから、いつまでたっても土がよくならない・・
取れば取るほど、いちばん取りにくい雑草が生えてくる...
反対に、思い切って入れると、取りやすくてあまり害にならない野草類が生えてくるんです。
「草さん、ありがとう!!」
西日本新聞連載を2カ月遅れで掲載しています。
岩石が風化したばかりの土にでもたくましく生える草・・私はそれを、尊敬の念を込めて「おばちゃん草」と呼んでいます。
そんなおばちゃん草たちが数世代住むうちに、微生物やミネラルたっぷりになった土に変わっていく。そんな良い条件になった土に初めて生える「お嬢様草」があります。
お嬢様草は食べても美味しいけど、おばちゃん草はたべられない。
でもおばちゃん草が、がんばってくれたからこそ、良い土が出来た。
おばちゃん草さん、ありがとうございます。
不思議なことに、おばちゃん草は、硬い土の方ががんばる力が出るようで、良い土だと気合いが入らないのか生育が衰えるんです。